特殊包丁の魅力と種類
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「特殊包丁の魅力と種類」
・特殊包丁の魅力とは
・特殊包丁の種類
・和包丁は飽くなき研究心の賜物
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・特殊包丁の魅力とは
日本料理に欠かせない和包丁ですが、さまざまな種類の魚を食す日本には、変わった形状の特殊包丁も豊富に存在しています。
ひとくちに「魚」といっても骨が多かったり大きさが違ったり、また調理方法が異なっていたりと最適な包丁がその都度変わってきます。
お店のカウンターで板前さんを見ていると気付くのですが、本当にいろいろな種類の包丁を次から次に使用して、丁寧かつ綺麗な動きで調理されています。
例えば鰻ひとつとっても、蒲焼きや鰻丼、お寿司、肝吸いなど多くの料理があります。
このように、ひとつの食材を美味しいだけでなく美しい形に仕上げ、細かな部位まで残さずいただくことは、日本ならではの「もったいない」精神も感じられます。
・特殊包丁の種類
・ふぐ引き包丁
ふぐをさばくために作られた専用包丁です。日本国内でふぐが解禁され広まるにつれて、ふぐ引き包丁も広まったといわれています。ふぐを刺身で食べるためには薄く切る必要があります。そのため薄く長い刃を用いて一気に引き切りが出来るよう、工夫された形状になっています。
・身おろし出刃包丁
身おろし用に使われる、相出刃包丁と同じ形状の包丁です。魚をさばいてから刺身を引くまでこれ一本で対応可能です。
・寿司切り包丁
巻き寿司や押し寿司を切るために使われ、ご飯や具などが崩れないよう工夫された専用包丁です。両刃になっており幅は広く、刃先は丸みを帯びた形状になっています。
・鰻裂き包丁
鰻をさばくための専用包丁です。京型、大阪型、名古屋型、江戸型があり、地方によって豊富な種類が存在します。
京型は刃の峰側に厚みがあり、目打ちを打つ際使用しやすい形になっています。大阪型は腹開きに用いられ、切り出しナイフの形状をしています。また名古屋型は背開き・腹開きどちらにも対応できる細身の直刃になっています。一方江戸型は切っ先が切り出し型になっています。これは、背開きにしてさばいた後に頭を落とすという手法に対応するためです。
・筋引き包丁
大きな肉を、筋に沿って部位ごとに切り分ける際使われます。牛刀包丁と似ていますがより細長くなっており、細かい動きに対応できるよう小回りのきく形状になっています。バラ肉を切り離す際やスライサーとしても使用されます。
・骨透き包丁
骨から肉を切り離す時に使用されます。刃こぼれしにくいよう刃に厚みがあるのが特徴です。
・和包丁は飽くなき研究心の賜物
豊富な種類が存在する和包丁は、職人のこだわりがぎゅっと詰まったもの。昔から「刀は武士の魂」といわれていたほど神聖なものとされていた日本では、今でもひとつの包丁を大切にそして丁寧に扱う精神が受け継がれています。
ひとつのものを大切に、そして長く使うという日本の精神が感じられる和包丁。それは飽くなき研究心の賜であり、日本の誇りであると私は思います。